仕事と環境
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高橋:私が勤務する介護老人保健施設には、調理師が3名、パートさんが10名ほどいます。 事業所の責任者を務めるようになってから2年以上経ちますが、一緒に働く皆さんを支え、一人ひとりがやりがいを感じられるような環境づくりを日々模索しています。
小俣:入社2年目の私にとって事業所責任者の方は頼れる存在ですし、その他にもさまざまな施設を経験した先輩がいます。視野が広く、「他の現場ではこんなやり方があるよ」と教えてくれることもあります。職場全体としては、栄養士・管理栄養士が15名、調理師7名、パートさんが35名働く比較的大きな病院です。年齢や職種は違っても、みんなで冗談を言い合えるような環境です。
高橋:病院や施設などの事業所で勤務している小俣さんや私と違って、勝沼さんは事業部勤務。担当エリアの事業所を管理する仕事ですね。私も献立作成に困ったときや、職場の環境づくりに悩んだときは、いつも事業部の方々に支えてもらっています。
勝沼:そう言ってもらえるとうれしいです。ただ、私は現在配属されている事業部で最も経験が浅く、不安なことや分からないことがたくさんあります。それでも周囲の先輩がとても丁寧に相談に乗ってくれるから、何とか乗り越えられているんだと思います。栄養管理課以外の先輩とも仲が良く、年齢や所属に関わらずサポートしてくださるので、本当に感謝しています。
プロフェッショナルとして
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勝沼:事業部では、各事業所を巡回して給食会議に出席したり、栄養士や事業所責任者の困りごとを聞いたりしています。事業所の立ち上げの際には、今でも現場に入ることもありますが、基本的には事業所を管理・サポートする立場です。事業部へ異動になる前は、介護老人保健施設で献立作成や食材の発注業務を行っていました。私自身は病院での勤務経験がありませんが、小俣さんの事業所ではどんな仕事をしていますか。
小俣:私の事業所は400食ほどの大きな急性期病院ですが、仕事の担当が細かく分かれています。入社時は盛付や洗浄を中心に厨房業務を担当していましたが、現在は食札の書き換えや食物アレルギー対応の献立作成、病棟の電話対応、消耗品の発注といった仕事を担うようになりました。ほかの事業所ではそうした分担の仕組みも大きく異なるものですか。
高橋:そうですね、私が勤務する事業所は、100床ほどの規模なので一人ひとりが幅広く業務を行っています。献立作成や発注などの栄養士業務はもちろんのこと、盛付や調理といった厨房業務まで、一人が幅広くカバーしています。その分、吸収できる知識や技術も幅広い点が魅力かもしれませんね。それにしても400名の食事に目を配るのはとても大変そうですね。
小俣:食数も多いですが、対応するアレルギーや治療食の種類もたくさんあるので間違いを起こさないよう、食事のダブルチェックは欠かせません。行事食を提供する際は、普段よりも作業工程が複雑になることも多いのでより慎重に確認しています。
高橋:私が働く施設では、行事食には特に力を入れていますね。高齢者施設の場合、食事は日々の楽しみという色合いも濃いように思います。ですから、普段の食事も食材の偏りがなく、飽きがこないようなメニュー作りを心掛けています。
勝沼:悩みどころは、限られた予算の中でどう創意工夫を凝らすかですね。ある施設から、予算に収まらない行事食のご要望があり、どのように対応すべきか相談を受けたことがあります。予算に収まらないからといって、ただお断りするのでは工夫はありません。何とか期待に応えようと、その事業所の栄養士と二人三脚で試行錯誤を重ね、献立を作り直したことが印象に残っています。
高橋:その大変さ、とてもよく分かります。でも、考えに考え抜いた献立を調理師やパートさんと協力しながら提供し、それを利用者の方が美味しいといって喜んでくれる。そうやってみんなで成し遂げたときの達成感は、何にも代え難いものですよね。
今後の目標
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勝沼:事業部の栄養管理課に勤務してから一年が経ちましたが、まだまだいろいろなことを経験してみたいという気持ちでいっぱいです。現在は障がい者施設の事業所オープンに携わっていますが、それ以外にも病院や保育園など、多様な施設にチャレンジしてみたいです。幅広い施設を経験することによって、どんな要望にも応え、多様な献立を提案できる人財になれたらいいですね。
高橋:私もさまざまな経験を積んでみたいと思っています。そのためにも、栄養や衛生に関する知識を深め、事業所責任者としてスキルアップすることが目標。失敗を恐れない気持ちは、いつまでも失いたくないと思います。
小俣:私はまだ目の前の業務を覚えることで精いっぱいです。最近は、発注業務を任せてもらうことも増えてきましたが、食数の変動を予測して最適な発注を行うことがこんなに難しいんだって痛感しています。ですが、先輩方に指導してもらいながら、失敗を恐れず挑戦して少しずつできることを増やしていきたいですね。
※勤続年数や業務内容は、取材当時のものです。